失敗から立ち上がると決めた日
会社を失ったあと、
正直に言えば、
私はもう起業なんてしたくありませんでした。
怖かった。
疲れていた。
何より、
自分を信じられなくなっていた。
「また同じことを繰り返すんじゃないか」
「自分には向いていないんじゃないか」
そんな声が、
頭の中で何度も何度も響いていました。
起業から離れようとした時期もあった
しばらくの間、
私は起業という言葉から
距離を取ろうとしていました。
・安定した道を考えた
・もう挑戦は十分だと思った
・失敗しない人生を選ぼうとした
それは、
逃げではありません。
一度、
ちゃんと立ち止まろうとしていた。
それでも、心が静かにならなかった
時間が経っても、
心は落ち着きませんでした。
・仕事をしていても
・人と話していても
・普通の生活をしていても
どこかで、
ずっと引っかかっていた。
「このままで、本当にいいのか?」
私が失ったのは、会社だけだった
ある時、
ふと気づいたことがあります。
私は、
会社は失った。
でも、
・学びは失っていない
・経験も失っていない
・感覚も、まだ残っている
むしろ、
一番大事なものは残っていた。
それは、
「なぜ失敗したのか」を
自分の言葉で説明できる状態になっていたことです。
失敗は、問いに変えられていた
倒産直後の私は、
ただ傷ついていました。
でも時間が経つにつれ、
失敗は少しずつ
問いに変わっていきました。
・なぜ、止まれなかったのか
・なぜ、相談できなかったのか
・どこで判断を誤ったのか
この問いに、
逃げずに向き合い続けた。
それが、
再起の準備になっていた。
もう一度起業しよう、と思った決定的な理由
決定的だったのは、
「もう一度成功したい」
ではありません。
「同じ失敗を、もう二度としたくない」
この気持ちでした。
逃げたままでは、
失敗はただの傷で終わる。
向き合い、
乗り越えた時にだけ、
失敗は力になる。
私は、やり直したかったのではない
誤解してほしくないのは、
私は「やり直したかった」わけではありません。
過去を消したかったわけでも、
失敗をなかったことにしたかったわけでもない。
更新したかった。
・判断基準を
・自分の弱さへの理解を
・経営の向き合い方を
失敗したままの自分ではなく、
学んだ自分で、
もう一度立ちたかった。
二度目の起業は、まったく違う景色だった
再び起業した時、
以前の自分とは
明らかに違っていました。
・数字から逃げない
・一人で抱え込まない
・止まる判断を恐れない
勢いはない。
でも、
地に足がついていた。
これは、
一度壊れたからこそ
手に入れられた感覚でした。
失敗した人間にしか、見えない世界がある
失敗していない頃の私は、
どこかで
「自分は大丈夫だ」と思っていました。
でも、
一度底を見たことで、
・人の怖さ
・お金の重さ
・判断の遅れの致命性
すべてが
現実として分かるようになった。
これは、
何よりの財産でした。
私は、特別に強い人間ではない
ここまで書くと、
「強いですね」と言われることがあります。
でも違います。
私は、
何度も怖がり、
何度も逃げたくなり、
何度も自信を失いました。
それでも起業したのは、
向いていたからではない。
向き合う覚悟が、
ようやくできただけです。
だから今、私はこうして書いている
もう一度起業した理由の
最後の一つは、
これです。
同じ失敗で苦しむ人を、減らしたい。
かつての私のように、
・止まれず
・相談できず
・静かに追い込まれていく
そんな人に、
「あなたは間違っていない」
と伝えたかった。
起業は、才能じゃない
これは、
今の私が確信していることです。
起業は、
・才能でも
・勢いでも
・特別な強さでもない
壊れたあと、どう向き合うか。
それだけで、
次の結果は大きく変わる。
次回予告
次は、
「2社目で、私が絶対にやらなかったこと」
を書きます。
失敗を、
どう具体的に行動に落としたのか。
私は、
失敗から立ち上がった
立派な成功者ではありません。
ただ、
失敗から目を逸らさなかった人間です。
それでも、
もう一度起業するには
それで十分でした。


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